こんにちは!
美味しいグルメを食べているだけではなく、普段は理学療法士&ピラティスインストラクターとして色んなところで活動しているダンサーのたけちん(@take00919)です!
今回はたけろぐ初のダンスに関する投稿で、運動パフォーマンスを上げるための大原則を利用してダンスが早く上手くなる方法についてお話します。
これは、人の体の特性を生かした方法なので、ダンスに限らず全てのスポーツのパフォーマンスアップには欠かせない知識だと思います。ダンスをしてない方も知っておいて損は全くないので是非ご覧ください♪
なお、まだ記事ガイドをお読みでない方はこちらを先にお読みください↓
では、本題に移ります。
ダンスが上手くなる近道のトレーニング方法は?~ポイントは特異性~
踊るために必要な身体を作るにはどうしたらいいか?
その近道は、
踊って身体を鍛えること
です!
なぜなら、人の身体には特異性の原則というものがあり、運動パフォーマンスは「課題」に「特異的」に向上しやすいからです。
※特異性の原則とは、「ある特定の能力は、同じ種類の運動を用いたトレーニングを行うことによって効果的に高められる」という原則。
この具体的な例を挙げると、筋力トレーニングが良い例です。
以下は、垂直跳びの跳躍高さを伸ばすために3つの種類の筋力トレーニングを行ったときにどのようなトレーニングが最も効果があったのかを比較した研究(論文)の結果です。
トレーニング①:実際に垂直跳びと同じようなフリーでのジャンプを行なって足の筋肉をつける練習を繰り返し実施した場合
トレーニング②:鉄棒を足で持ち上げるような動作(足の筋肉の長さは変化しない等尺性トレーニング)で足の筋肉をつける練習を繰り返し実施した場合
トレーニング③:バーベルを持ってスクワット動作(ウェイトトレーニング)を繰り返し実施して足の筋肉をつける練習をした場合
どのトレーニングも同じ足の筋肉の強化を行うトレーニングですが、結果は以下の図の通りとなりました。
棒グラフはどの程度高く飛べるようになったかを示しています。ジャンプの高さの増加率はフリージャンプで20%up、ウエイトトレーニングでは10%up、鉄棒では逆にマイナスになったという結果を示しています。
つまり、実際の垂直跳びのようなフリージャンプを繰り返す方が、その他のトレーニングよりも効果的にパフォーマンスを向上させていることがわかります。
これは、その動作を行う筋肉を強化する個別トレーニングよりも、動作そのものを反復して練習するようなトレーニングを行った方がパフォーマンスが効果的に伸びるということを示しています。
つまり、「ダンスが上手くなるための身体能力の獲得は、ダンスに近い運動を行うことでより効果的にできる」ということです。
これは人の体の特性であるため、他のどんなスポーツ・競技でも全く同じことが当てはまります。
しかしながら・・やみくもにダンスばっかりしていて上手くなるでしょうか?
個別の筋力トレーニングも重要
「ダンスが上手くなるための身体能力の獲得は、ダンスに近い運動を行うことでより効果的にできる」
ということは理解できたかと思いますが、ダンスだけしていても今以上にダンスが上手く踊れるための身体を作るのには時間がかかります。
理由は単純です。
なぜなら、それは今自分が持っている以上の筋力や能力を必要とするからです。
勿論、自分が目指しているレベルに近い質の良い動きばっかり練習していても、それに必要な筋力や能力は少しずつついてきます。
しかし、普段みなさんが練習してみていてもお分かりの通り、おそらく目指しているレベルの動きは簡単にはできません。
それに必要な筋力や柔軟性が不足していたり、動きをコントロールするための体の使い方(体軸)もできてるいないからですね。
それなら、ダンスを踊る練習をしながらもそういうトレーニングを取り入れて行っていった方が良い気がしませんか?
新しく動きを覚えようとするときも、元々その動きに必要な力が出せる能力(筋力や軸)があればその動きの獲得も早いですよ。
ところで、先ほどの垂直跳びの研究はこれに関しても検討しているのでご紹介しておきます。
「実際の動作を反復練習する場合」VS「実際の動作を反復練習する+個別の筋力トレーニングを行う(つまり筋力をつけながら動作練習を併用する)場合」でパフォーマンスの上昇率を比較した結果が以下になります。
やはり実際のジャンプ練習と足の個別筋力トレーニングを併用した方が効果が高いことがわかりますね。
以上のことから、実際に動作に必要な個別の筋力を鍛えることと、つけた筋力を実際に使うような動作トレーニングを行うことがより競技のパフォーマンスを高めるために重要であることがわかります。
まとめ
- パフォーマンスは「課題」に「特異的」に向上するため、ダンスが上手くなるための身体能力の獲得はダンスに近い運動を行うことでより効果的にできる。
- しかし、ダンスだけをやる場合と比較して、個別の筋力トレーニングとダンスを実際にすることを併用するとさらに高い効果が期待できる。
さて、いかがでしたでしょうか。
ダンスが上手くなりたければ、単純な筋トレだけではだめだし、ダンスをひたすら踊るだけではだめです。
必要なのは、
獲得した筋力を上手く動作(ダンス)に生かす練習
動作(ダンス)をしながら上手く筋力を獲得していくような練習
これを念頭に置いていただき、すべての練習をこのようにつなげると格段にパフォーマンスはアップします。
ダンスに限らずこれはどのスポーツでも共通する体の特性ですので、是非頭にいれておきましょう!
このブログで僕がご紹介するエクササイズは、基本的にはこのようなパフォーマンスに直結するエクササイズです。
内容を簡単にご説明すると、ピラティスなどの高い効果が証明されているエクササイズの動きを取り入れ、崩れている全身の柔軟性や筋力のアンバランスをダンスをする際の動きに近い動きで修正しながらトレーニングを行っていくという感じなので興味がある方はぜひご覧ください。
参考資料
1)金子公宥, 田路秀樹:パワーアップの原則再考. Jap J Sports Sci 1993; 12: 160-164.
以前の記事でもご説明していますが、鳥取県は観光スポット間の距離が非常に離れているところが多く、公共交通機関網が不十分で電車やバスの本数は少なくタクシーが通りかかる機会なども非常に少ないです。
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